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GX World Boy RF-858 とあの頃の思い出

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遂に届いた!GX World Boy RF-858 !
目立ったダメージも無く、なかなか良いコンディションである。もちろん、念入りにクリーニングを施した。

 IC-700よりひと回り大きなサイズになる。外付けのスリープタイマーが当時としては画期的だった。
(しかし、このスリープタイマーを使用すると、カチカチカチカチという音がして、とても眠れなかったという話も・・・^^;)
スイッチやレバー類を上部にまとめたスマートなデザインが大人っぽい。IC-700もそうだが、このワールドボーイもずっしり重い。これに単2の電池を3本も入れた日にゃその重さはハンパない(笑)。
どちらも当時の最先端のラジオ技術が投入されているとあって、音質や感度は700と比べても全く遜色ない・・・
と言いたいところだが、音質に関してはやはりテクニクスのナショナルである。サイズのせいもあるだろうが、ワールドボーイの方がバランスの良い落ち着いた音を聴かせてくれる。

他に700に無い機能として、バッテリーやチューニングの状態を示すインジケーター、ラウドネススイッチが搭載されているのが目を引く。トーンのレベルも、NEWS、SOFT、MUSICという順で高音域が強調されるユニークな表記になっている。樹脂製のハードケース付きで、販売価格は700より若干高かったはずだ。



 ラジオの深夜放送の人気が高まっていた1970年頃、ラジオの機種は大きな関心事になった。
中学進学を間近に控え、「そろそろラジオでも買ってやろうか」と財布のひもを緩める親の心理を読んだオレ達は、既にラジオの品定めに夢中になっていたのである。そんな中、"ビートルズの東芝"はブランドイメージにも特別なものがあった。ジョージが好きだったオレと、ポールが好きだったYは迷わず東芝のIC-700を候補に挙げたのに対し、同じビートルズファンでもジョンが好きだったHは少し違っていた。彼は電器店から掻き集めて来た、色んなラジオのカタログを精査し、性能・価格・デザインなどを比較検討。そのうえで購入したのが、このナショナルのGXワールドボーイRF-858だった。

 Hの家はタバコと一緒に菓子やジュース類を置いているような小さな商店だったので、以前から彼は学校から帰ると時々店番を買って出て、両親からラジオの購入資金をちゃっかりせしめていたのだった。どちらも出資元は親ということに変わりはないが、そこに労働という付加価値を付けたHはやはりエラかった。

 購入した日、皆でHの部屋に集まってワールドボーイのお披露目となった。
Hの部屋は2階にあったのだが、部屋に入ると窓のスリ硝子におびただしい数のヤモリの形が描かれている。
聞けば、夜になるとヤモリが硝子の外に張り付くので、毎晩その形を内側からペンでなぞっているのだという。

そんなことはどうでもいいのだが・・・(笑)

 恭しく箱から取り出されたGXワールドボーイは、スイッチ類を上部にまとめたスマートな外観と、前面にデザインされたICの大きな文字を誇示し、すでにタダものではない雰囲気を醸し出している。特にIC-700にはないインジケーターと外付けのスリープタイマーがマニアックで、子供心を大きく揺さぶった。さすがにHが数あるラジオの中から選び抜いただけのことはある。
というわけで、IC-700への憧れは変わらなかったものの、このGXワールドボーイにも大いに心を惹きつけられたのだった。

 あれから40年・・・花も嵐も踏み越えて、晴れて憧れだったIC-700と、心揺れたGXワールドボーイRF-858のオーナーとなった喜びには、沢山の音楽とともに、言葉では言い尽くせないほど沢山の思い出も詰まっているのだ。
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同じ時代を闘い抜いて来た3台・・・但し、IC-70は既に屍となっている(泣)。
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by Tettin-Arts | 2011-01-29 19:44 | スグレモノ
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四辻に佇んで・・・。


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