YAMAHA SL650
彼がメインで使用しているギターが、1969年製のレスポール・カスタム、別名ブラック・ビューティーと呼ばれる漆黒のボディが美しい、重厚なレスポールである。
実はこのたび、目出度く1969年製のレスポール・カスタム・・・・に酷似したギターを手に入れた。
赤と黒のトーカイストラトを買ったあのセコハン屋に入荷していたのだ。
最近、運を浪費するかのように不思議とギター運に恵まれているオレ(笑)
そして、持主を選べない可哀そうな3本目のギターがここに登場だ。
その名はYAMAHAのSL650。
ヤマハのウェブサイトによれば、SLシリーズは1976年~1979年にかけて生産されたモデルで、SL650はその中間グレードのモデルになっている。当時の価格が65,000円。それがなんと8000円。一応、店のオヤジに値切ってみたが、これ以上は無理だった(笑)。(ちなみにシリーズ最高級のモデルはSL120で価格は120,000円だったようだ。)
何しろ年代物なので、ボディにはあちこちキズはあるし、金属製のパーツはメッキが剥がれてもはや光沢は無い。
しかし、これが微妙なオールド感を醸し出しているところが素晴らしい。ヘッドのマークさえ隠れていれば、一瞬ホンモノのギブソンと見間違うかもしれない。それほど、これまでにオレが見て来たレスポールのレプリカモデルの中でもダントツの出来である。
試奏をして各ポイントをチェック。使用には全く問題ない事を確認し購入。(もともとヤマハといえば、サンタナや高中正義も愛用するくらいだから、品質は十分信頼できる)
支払いが終わると、またまた商品券が1500円分バックされたので、購入価格は実質6500円ということになった。なんと定価の10分の1である。
ボディはトップにメイプル、バックとリムはマホガニーを使用した3ピースもの。(ホンモノはもちろん1ピース)
キズはあるものの、かなり塗装も良いようで、漆黒の輝きは本家にも負けない深みがある。また、ボディの白いバインディングが良い具合に黄ばんでいて、ヴィンテージ感を漂わせている。
ペグはヤマハオリジナルのダイキャストトルク調整型というものが装備されていて、こちらもフォルムは1960年代後期のカスタムを忠実に再現している。既に光沢はないが、この使い込まれた感じがまた良い雰囲気。最近ではリーバイスの復刻ジーンズみたいに、新品のギターでも錆や塗装の剥がれまで忠実に再現したダメージモデルが数多くあるが、こういう本物の使用感は、ピカピカの新品より嬉しいものである。回すとしっかりとした手ごたえがあり、高品質なものであることが分かる。
金属パーツであるテールピースやブリッジ、そしてピックアップカヴァーなども、もちろん艶消し状態だ。この感じもオレの好みにぴったり。
ローズウッドの指板はそれなりにというところだろうか。(板の質そのものは、この前買ったトーカイのストラトのほうが若干勝っていた)しかし、落ち着いた音色はやはりローズだな。
肝心の鳴りはやはり重厚である。ストラトばかり弾いていると、ハムバッキング特有のゴリゴリ来る感じが心地良い。それにしても3ピースボディにしては良く鳴るほうだと思う。
というわけで、正真正銘の国産ヴィンテージ・モデル。
今一番寵愛しているギターである。
ちゅうか、ギターがオレを放してくれんとよっ!(苦笑)