メンフィス・ミニー
ブルースの女王といえば、淡谷のり子・・・ちゃいまっせ。
「ロバート・ジョンスンを読む」にも、たびたび登場するメンフィス・ミニー。
ちゅうわけで、今夜はこのご婦人をちょっとご紹介したい。
そもそも、この人の名を最初に知ったのは、ZEPPⅣ の重厚なラストナンバー「WHEN THE LEVEE BREAKS」のクレジット。(ムチャクチャヘヴィーなアレンジになってますけど・・・^^;)
実はこのオリジナルがメンフィス・ミニーなのだが、唄っているのは旦那さんのカンザス・ジョー。
メンフィス・ミニーとカンザス・ジョーか・・・いいなぁ、夫婦揃ってのこのスカした芸名。
(日本人なら、さしずめ十勝花子と東京ぼん太といったところか・・・?さすが五十路のオレ)
活動時期は1920年代末から50年代頭までと結構長く、残した作品も200曲以上。活動拠点もメンフィスからシカゴへと流れ、晩年を再びメンフィスで迎えている。ロバート・ジョンスンの先輩格にあたり、もしかしたら何らかの交流があったのかもしれない。
幼くしてギターやバンジョーを覚え、13歳の頃には既に通りに出て唄っていたというメンフィス・ミニー。彼女の唄とギターの凄みは、あれだけ強烈なキャラクターの男衆がひしめいているブルースの世界においても迫力満点、唯一無比。
時に激しく、時に優しく、そして蓮っ葉なデルタブルースは、その美貌とともに過酷な労働から束の間解放された黒人たちの心を癒したに違いない。もうひとりの女王ベッシー・スミスとはまた違った泥臭さが魅力。
このCDは歌詞カードも何も付かない廉価なチェコ盤の2枚組みだが、主要な作品はほぼ網羅されている。
オリジナル「WHEN THE LEVEE BREAKS」はミニーの歌唱ではないので、今夜は「HOODOO LADY」を。
ミニーの前では、ジャニスもまるで赤子。
つーか、考えてみれば、ジャニスのようなシンガーも、密かに真夜中の十字路でデヴィルと契約していたのかもしれんな。
ゾクッ。