CARRIE / BRIAN DePALMA
学校ではクラスメイトに苛められ、家に帰れば狂信的な母親に翻弄される少女キャリーには、隠された超能力があった。ある日、学校のパーティーに連れ出されたキャリーは、クラスメートの陰謀でクィーンに選ばれる。幸せの絶頂で舞台に上がったキャリー。皆の祝福を受けているその時、彼女の頭上から真っ赤な豚の血が降り注ぐ。そしてパーティ会場ではキャリーの悲鳴とともに惨劇の幕が切って落とされるのだった・・・。
スティーブン・キングの原作を鬼才ブライアン・デ・パルマ監督が映像化したこの作品だが、随所にヒッチコックの傑作「サイコ」へのオマージュがちりばめられとるのが嬉しい。冒頭のシャワーシーン、金属的なサウンド・エフェクト、そして極めつけが学校の名前・・・「ベイツ・スクール」ってそりゃあーた^^;。
今見ると、そこはかとなくB級の香りが漂わないでもないが、マルチ画面の効果とか当時としてはかなり斬新な手法も取り入れとる。主演のシシー・スペイセクの演技も見ものだが、母親役のパイパー・ロウリーがハマりすぎ。この人の演技だけで十分怖いです。あのジョン・トラボルタも脳みその足りなさそうな男を好演(というか地で行くというか・・・)。
前半の青春学園ドラマ風の流れにおいてもテンポ良く、見るものを飽きさせない手腕はさすが。 後半、パーティーで血の洗礼を浴びてからの救いの無い、陰惨な展開を一層引き立たせている。 ビノ・ドナッジオの音楽もなかなか情感が溢れていて良いナ。
そしてラストシーンの衝撃は今見てもおしっこをチビッてしまうこと請け合いです!
70年代の作品としては「エクソシスト」「オーメン」あたりの大作に隠れがちやけど、この作品が無ければ「13日の金曜日」(分けてもあのラスト)は無かったやろうし、「キャリー」はその後のスプラッター系ムービー(これは、オレはあんまり好みじゃないけど)にも大きな影響を与えた素晴らしい作品やと思う。