NEW YORK DOLLS / NEW YORK DOLLS
ニューヨーク・ドールズはグラムロック華やかなりし1973年にこのアルバム「NEW YORK DOLLS 」でデビューしたんだけど、当時初めてこのアルバムを聴いた時には、正直ピンと来んかったんよね。グラムロックと呼ばれる連中の中でもT・REXやボウイなんかと比べると音が何やスカスカで、心許なかった。オレ自身のサウンドの好みがヘヴィーなものに向かい出した頃やったから、なおさらそう感じたのかもしれんし、プロデューサーがトッド・ラングレンやったちゅうのも音的に関係があったのかも知れん。ヴィジュアル的にもケバ過ぎて・・・(笑)。
その後1977年にセックス・ピストルズがデビューして、パンクロックが一気に盛り上がるわけやけどニューヨーク・ドールズがその先駆者だったのは間違いない。これはやっぱ凄い事よ。
ロックンロールは本来チープなもんやないといかん。高尚なロックンロールやら存在せんからね(笑)。
そういう意味で言えばこのニューヨークドールズは生来のロックンロールバンドと言っていいやろう。
何といっても筋金入りのジャンキー、ジョニーサンダースの唸るギターは鳥肌もんよ。ギターもギブソン・レスポールJr.TVっちゅうチープなモデルから調子っぱずれ気味のぶっ飛んだフレーズを連発する。ホンマに凄い人やった。
そしてチープでシンプルなロックンロールの中にも一瞬ホロっとするようなフレーズがあるんよね、「BAD GIRL」とか「SUBWAY TRAIN」とか「JET BOY」とか・・・。
「かっこいい "ロケンロールバンド" には皆独特の"泣き"みたいなもんがあるな。」
・・・などとザ50回転ズのライヴを観たあと、ほろ酔い気分でネオン瞬く親富考通りを歩きながらふとニューヨーク・ドールズに思いを馳せてみた。