帰らぬ愛とケイト・ブッシュ
まぁ、すぐにバンドが忙しくなって一年くらいしか籍は置かなかったけど、ケイト・ブッシュの名前を聞くと、その美術部の一年上にいたMIKIっちゅう先輩を思い出す。新入部員の歓迎コンパの席で他を圧倒して輝いとったナ。色白の肌に、ソバージュがかった栗色のロングヘア、ハイトーンの声・・・。当然一目惚れさ。
話してみると、結構ロックなんぞにも詳しくて、「ジェフ・ベックのオレンジの写真のジャケットのアルバムのA面の最後の曲は大好き・・・。」などとのたまう(笑)。
そ、それって「帰らぬ愛」っちゅうやつよ。
他にもデイヴ・ギルモアがお気に入りのギタリストだったり、部屋にはパンツと一緒に「サタニック・マジェスティーズ」のレコード盤が無造作に転がっていたりと、なかなか通っぽかったりした。
そんなある日、この耳に飛び込んできたのさ・・・「嵐が丘」が。
だ、誰よ?この人?ちゅう感じで慌ててレコード屋に飛び込み、発売されたばかりの「THE KICK INSIDE(天使と小悪魔)」のジャケットを手に取ってぶっ飛んだ。MIKIやんか(笑)。しかも、デイヴ・ギルモア絡んどるし・・・。
「おまえ、そんないいもんじゃなかったろうが」っちゅう声も一部にあるにはあるが(笑)、「あばたもえくぼ」ですよ、恋は。
そういう事情もあってケイト・ブッシュはよく聴いたね。「HOUNDS OF LOVE」まではついて行けとったけど「THE SENSUAL WORLD」で取り残されてしもうた。(各アルバムの紹介はまたの機会にじっくりやりたいと思います。)
しばらくは、お互いの部屋を行ったり来たりしとった時期もあったけど、オレもバンドが忙しくなり、彼女もガールズバンドやりだしたりしてだんだん疎遠になってしもうた。今考えると、ここで大きな人生の過ちを犯してしまったような気もするが・・・。
「帰らぬ愛」ねぇ。