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オラン・ペンデクの復讐とモスラ

 「もういいよ、香山滋は・・・」と言う声も聞こえてきそうだが、ここでまた一つこの本から新たな発見を・・・(笑)。

 この本「海鰻荘奇談」の冒頭を飾る香山滋のデヴュー作「オラン・ペンデクの復讐」。この作品は昭和22年4月に「宝石」に掲載された" オラン・ペンデクの復讐 " 翌年1月に掲載された" オラン・ペンデク後日譚 " そして昭和34年1月に掲載された" オラン・ペンデク射殺事件 " の3部作構成となっているのだが、後の「獣人雪男」にも通じる、人知れず異国の秘境で静かに暮らす絶滅寸前の弱小民族と、そこに足を踏み入れた現代社会の人間との間に起こる哀しいドラマを幻想的に、かつ詩情豊かに描いた傑作である。

 一方、昭和36年に公開された東宝映画「モスラ」は、中村真一郎、福永武彦、堀田善衛ら3人の作家による「発光妖精とモスラ」という小説がその原作とされている。
 この小説のほうは未読であるが、こちらもインファント島という弱小民族の住む島へ足を踏み入れた文明人と島民(モスラを含む)との間に起こる軋轢とその顛末が重厚に描かれた怪獣映画の傑作である。

 これだけでも「モスラ」が「ゴジラ」の生みの親である香山滋の作品から多大な影響を受けている事が推察されるのだけれど、実は何と「オラン・ペンデクの復讐」の中で、すでにあの " 小美人 " が登場していたのだ。

 
 その部分を抜粋してみると " 美しいオラン・ペンデク族の女王は、たえず優しい微笑で、私を包むように見守り、あの、世界の人々が誰ひとり聴いたこともなく理解することも出来ない不思議な音律の言葉で話しかけてきた。"
                                     <オラン・ペンデク射殺事件より>

 しかも小説の中で「オラン・ペンデク族」は、12、3歳くらいの子供のような小柄な種族という設定がなされている。これはまさに" 小美人 " そのものではないか!

 今まで「発光妖精とモスラ」の中の妖精が小美人のオリジナルだと思っていたが、こうして香山滋の作品に触れてみて、彼が怪獣映画に残した功績の偉大さっちゅうのを、あらためてしみじみと感じたね。
by Tettin-Arts | 2008-01-12 01:34 | 夕日書房 | Trackback(1) | Comments(4)
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Tracked from お笑いと怪獣部屋 at 2008-01-13 10:17
タイトル : モスラ小美人のルーツ・モスラ秘話
モスラ小美人のルーツ話を発見しましたのでご紹介です。 元:http://tettin1954.exblog.jp/d2008-01-12 簡単にいうと「モスラ小美人のルーツは初代ゴジラの原作者香山滋のアイデア」 という事です。 ■解説 ●モスラ1961(昭和36年)の原作は中村真一郎、福永武彦、堀田善衛3人の  作家による「発光妖精とモスラ」という小説。(原作では妖精アイエナ) ●ゴジラ1954(初代)の原作者は香山滋、デビュー作は昭和22年4月発行  の「オラン......more
Commented by もすらひらの at 2008-01-12 09:10 x
>「オラン・ペンデクの復讐」の中で、すでにあの " 小美人 " が登場:へぇ~~ そうなのですか。こりゃなんと驚きました。香山さんは医大じゃない 笑 偉大ですね。
Commented by Tettin-Arts at 2008-01-12 20:21
私も「あっ」と驚きました。
香山滋はホントに面白く、電気ブランを飲むようにチビチビ読んでいますが、この調子だと残りの作品からも何か発見がありそうな気配です。そのときはまた書きたいと思います。

えっ、もういい・・・ですか?(笑)。
Commented by もすらひらの at 2008-01-13 10:19 x
ぱくりました。(笑) TBしますね~
Commented by Tettin-Arts at 2008-01-13 17:37
ぱくり、チョンボ、大歓迎です(笑)。ご紹介頂きありがとうございました。
ゴジラがスクリーンから姿を消してしまった今、香山滋はもっと評価されるべきですね。特に若いゴジラファンからも・・・。
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四辻に佇んで・・・。


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