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クライマーズ・ハイ


 来る7月5日公開の映画「クライマーズ・ハイ」。
一足お先に試写会へ行ってまいりました。では、その熱血レポートをどうぞお楽しみ下さい(笑)。

(以下ネタバレを含んでいます。)


 

 【クライマーズ・ハイ】 登山時に興奮状態が極限まで達し、高さへの恐怖感が麻痺してしまう状態。
 
 原作小説と比較すれば、脚本は細かな変更が施されており、後半は大きく改変されていた。特に小説の最後の部分に登場する「彩子の投稿」のくだりはバッサリと落とされてしまっていた。しかし、この部分は"小説"という活字の作品のなかでこそ生きるエピソードであり、映画でこの部分をカットしたのは当然ともいえる。
 
 というわけで、映画の流れとしてのクライマックスは、当然「隔壁スクープを巡る攻防」に置かれている。
原作小説もそうだが、日航ジャンボ機墜落事故というノンフィクション部分と、北関東新聞社というフィクション部分が混在する以上、この攻防の結末は「北関がスクープを断念する」という筋道以外には話の持って行きようがない。
それは分かっていても、未曾有の大惨事に巻き込まれ、混乱し、その中であぶり出されてくる新聞社内部の人間関係の描写というものはリアルそのもので、ぐいぐいとスクリーンに引き込まれて行く。その中では、新聞社専門用語がマシンガンのように飛び交い、一般の人にはなかなか聞き取れない部分や意味が分からない部分が結構あるかもしれない。(そんな時は是非小説を・・・笑)
 一昔前までは「インテリが作って、ヤクザが売る」などと揶揄されてきた(今でもそれはあまり変わっていないようにも思えるが・・・。)新聞業界の内情も、ちらっと垣間見させてくれる作品でもある(笑)。

 キャストでは、県警キャップ・佐山役の堺雅人が良かったね。悠木を慕いながらも温厚な外見からは想像できないような行動力と執念で、事故と向き合うベテラン・サツ記者という役どころは、まさにハマリ役といってもいいだろう。
 社長役の山崎努は、いつもながらの貫禄の演技で、一体どこの新聞人をモデルにしたのかと勘ぐりたくなるほど・・・^^;)。螢雪次朗やでんでんといった名脇役の演技も素晴らしかった。
 そして元鈴木オート社長・・・堤真一。喧嘩っ早いところは、全く変わっていません(笑)。しかし、こういうキャラクターを生かした上でのシリアスな演技もいいですね。早くも風格さえ感じさせました。

 ただ気になったところもいくつかあった。まず「クラーマーズ・ハイ」は事故そのものをテーマにした作品ではないからか、事故現場のシーンにはあまり手がかけられていなかった(あるいは、かけられなかったのか)のが残念だった。というのも、あの当時ニュース映像で、御巣鷹の山肌にくっきりと残ったジャンボ機の形が映し出された時の衝撃はあまりにも強烈だったからだ。そのあたりを、最新のVFXを駆使すれば再現は可能だったのではないだろうか。そうすれば、歴史的大事故に直面した新聞社内の緊張と混乱がよりリアルに感じられたような気がする。
 
 そしてラストのニュージーランド行きは唐突で、原作には無い場面でもあり、多少違和感が残ったが、一度クライマーズ・ハイを体験した者が人生の山を下り、社会の中で安住してしまうことへためらいを感じ、新たな決意を胸にまた山へ帰っていくという、そんな感じのラストシーンで、これはこれで良かったのではないだろうか。(欲を言えば、もう少し素直に納得できるようなラストが欲しかったような気も・・・。)
 最後に音楽。元ちとせの「蛍星」は、イメージソングということで作品の中で流れることはありませんでした(笑)。
エンドロールで流れるとばかり思っていたので少し拍子抜け。まぁいいけど。

 というわけで、最近では珍しい硬派な作品で非常に好感を持ちました。なかなかの力作だと思います。機会があれば今度は劇場に足を運びたいですね。

 しかし、ここで再び「日航ジャンボ123便墜落事故」の謎が俄然クローズアップされるかもしれないな。
公式には過去のしりもち事故の時の修理が不完全だったことによる隔壁破損が原因ということになっているようだが、巷では構造上の欠陥説から自衛隊の無人標的機の衝突説、荒唐無稽なものでは、自衛隊機による軍事機密保持のための撃墜説などまで乱れ飛んだりして今でも謎に包まれている。真相は一体どうなのだろう?
by Tettin-Arts | 2008-06-25 22:20 | 夕日町名画座 | Trackback(7) | Comments(2)
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 □作品オフィシャルサイト 「クライマーズ・ハイ」□監督・脚本 原田眞人□脚本 加藤正人、成島 出□原作 横山秀夫  □キャスト 堤 真一、堺 雅人、尾野真千子、山崎 努、遠藤憲一、田口トモロヲ、堀部圭亮、螢雪次朗、西田尚美、でんでん、小澤征悦、高嶋政宏、マギー、滝藤賢一、皆川猿時、中村育二、野波麻帆、 ■鑑賞日 7月13日(日)■劇場 TOHOシネマズ川崎■cyazの満足度 ★★★☆(5★満点、☆は0.5)<感想> 一部に新人女性記者がいたものの、男臭さと男社会を描いた映画だ......more
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この事故に関しては、ニュースなどで流れた、あのボイスレコーダーのやりとりが頭にこびりついて離れないんですよ。
「あー、もうダメかも分からんね・・・」という、あの機長のひと言がね。
Commented by Tettin-Arts at 2008-07-06 17:44
FHIROSE2さん。
たしかにあのボイスレコーダーを聴くと、死に直面してなお、よくあれだけの行動が出来るものだと人間の凄みさえ感じさせられます。
映画の方は、一匹狼タイプのサラリーマンは必見の内容となっておりますよ(笑)。
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