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夏休みゴジラ祭り! キングコング対ゴジラ

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 暑い日が続いておりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか?

この時期にはやはりゴジラで英気を養いましょう!ということで、ゴジラレヴューシリーズ第3弾は1962年の夏も真っ盛り、8月11日に公開された「キングコング対ゴジラ」です。
 
 怪獣映画の金字塔である第一作「ゴジラ」。そしてその勢いに乗って制作された第二作「ゴジラの逆襲」と、モノクロ、シリアスな作風が続いたゴジラ映画だが、この「キングコング対ゴジラ」において初めてカラー、シネスコ版となり、初めてコメディ・タッチが導入された記念すべき作品でもある。この作品以降、娯楽志向にはより拍車がかかり、ゴジラ映画からは重苦しい、シリアスな雰囲気は無くなっていった。では、何故そうなったのか・・・なんていうテーマに触れたが最後、終いには「ゴジラ映画復活の鍵」というようなややこしい話になってきそうなので、ここではあまり深く追求ないことに・・・(笑)。
 
 前作の「ゴジラの逆襲」(1955年公開)から、なんと7年もの空白の後に制作されたこの作品は、東宝創立30周年記念映画として世界的な知名度を誇るキングコングを登場させるというデラックスな作品でもある。
 また俳優陣も高島忠夫、藤木悠の黄金コンビに名優有島一郎が絡み、そして浜美枝、若林映子、根岸明美という東宝屈指の美女たちが花を添えるという豪華さ。さらにはワタリや青影を演じ、オレたち憧れの的だった少年スタア・金子吉延が疎開する団地の子供役として出演しているのも見逃せない(笑)。
いうまでもなくゴジラ映画史上最大のヒット作でもある。

 見所も満載のこの作品だが、ゴジラが閉じ込められた氷山に突っ込む原子力潜水艦シーホーク号のこのショットは生々しい迫力があってオレは大好きだね。このシーンは数多の特撮映画の中でも白眉だと思う。何度観ても息を呑む素晴らしさだな。
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 香山滋の呪縛から解放されたかのように(笑)徹底して娯楽性を追及した本作は、怪獣対決映画のさきがけでもある。当然ゴジラのフォルムにも並々ならぬ情熱が反映され、キンゴジと呼ばれる秀逸なゴジラが誕生した。
それまで4本爪だった足は3本爪になり、どっしりとした下半身と、愛嬌のある、しかしどこか不気味な顔を持つキンゴジはゴジラファンの人気度も高い。 
 そして、対戦相手のゴロー、もといキングコングがまた凄い!スピルバーグ版キングコングのような巨大なゴリラではない異端のモンスターとしてのキングコング造形は東宝特殊美術の凱歌と言ってもいいだろう。
 オレは基本的に怪獣対決モノでも、対決シーンそのものにはあまり興味がない。そこに至るまでの展開を楽しむ傾向があるのだが、この作品に限っては対決シーンが楽しいね。ドラマ部分だけでなく、怪獣対決にまでコミカルな味付けを施し娯楽性を高める徹底した手法はゴジラ映画に新しい可能性をもたらしたが、これ以降あまりにこの対決路線が量産され過ぎてしまい、徐々にゴジラ映画が衰退して行く一因となったのは悲しい事だ。
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 作品自体は軽いコメディタッチの「キングコング対ゴジラ」だが、伊福部昭が再登板したメインテーマは重厚でオカルティックな出来栄えとなっている。ファロ島原住民のコーラスに被さる唸るような重低音のストリングスとホーンのオドロオドロしさは圧巻そのもの。このアンバランス感覚の妙もこの「キングコング対ゴジラ」の大きな魅力だと思う。





キングコング対ゴジラ (1962年8月11日公開) カラースコープ作品
制作 / 田中友幸
監督 / 本多猪四郎
特技監督 / 円谷英二
脚本 / 関沢新一
音楽 / 伊福部昭
出演 / 高島忠夫、浜美枝、佐原健二、有島一郎、藤木悠、根岸明美、若林映子、平田昭彦

by Tettin-Arts | 2008-08-11 00:06 | Godzilla
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四辻に佇んで・・・。


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