五月になれば彼女を 2011
「小さな恋のメロディ」のメインタイトルで流れるビージーズの「イン・ザ・モーニング」。
ロンドンの朝の清々しい情景を、人生の朝に重ね合わせた美しい曲である。ところが、このタイトルの頭に “Early” という単語を付けて「アーリー・イン・ザ・モーニング」にしてしまうと、たちまち雰囲気はアメリカ南部の売春宿の朝・・もとい、ディープなブルースの世界に様変わりしてしまう・・・
というようなアホらしい話はまた別の機会にするとして・・・(するんかい ^^;)
「小さな恋のメロディ」が日本で公開されたのが1971年の6月。
ということは、なんと来月で40周年ということになる。
一口に40年と言っても、とてつもなく長い。ガキ大将のジャック・ワイルドはもうこの世にはいないし、オレもあと数年で会社を定年になる。(老後の年金はちゃんと貰えるのだろうか・・・?)1971年のオレは40年後のことなど考えもしなかった。
まさか40年間もこの映画の事を思い続けているなんて・・・。
映画の中にこんなシーンがある。
初めてのデートで墓地に行った二人が、墓碑に刻まれた言葉に感銘を受けるシーンだ。
「50年の幸福・・・50年って長いわね。」
「休暇をのけて150学期だ。」
「愛し続ける?・・・無理だわ。」
「愛し続ける。もう1週間愛してるよ。」
「(微笑)」
長い年月を共に愛し合いながら生涯を終えた見も知らぬ夫婦に思いを馳せ、自分たちのこれからを想像してみる幼い二人が愛おしく、永遠に心に残る名シーンである。
もし、目の前にトレイシー・ハイドが現れたらオレにも是非言わせて欲しい。
「トレイシー、花も嵐も踏み越えてオレは君を40年間ひたすら愛し続けた。道を踏み外しそうにもなった時もあったけど、君の笑顔に支えられ何とか真っ当に生きて来た。あの頃はこんな大人になるつもりはなかったけど、なってしまったものは仕方がないじゃないか。トレイシー、これからもずっと君を愛し続けるぜ。この命が終わるまで・・・」と・・・(長いな)。
そしたらトレイシーは何と答えるだろうか?
「サインナラマエキンデイチマンエンヨ」
などと・・間違っても言うはずがない。
やはり遠い目で黙って微笑むのかな。
こうして、まるであの日から時間が止まったような錯覚に酔いながら、今年もこの映画を観ているオレなのだ。
Love Melody ×××.
PS. tettin's LNKS にトレイシー・ハイドのファンサイトを追加しました。