ロバート・ジョンスン特集
発売中のレコード・コレクターズ 9月号では、生誕100年に因んでロバート・ジョンスン特集が組まれている。
国内盤「センテニアル・コレクション」に封入されている分厚いブックレットでも、スティーヴン・C・ラヴィアによる詳細なロバート・ジョンスン・ヒストリーを読むことが出来るのだが、この特集でも佐野ひろし氏がまた新たな切り口で読ませてくれる。
思わず鳥肌立ったのは、ロバート・ジョンスンと「耳なし芳一」を対比させた後藤幸治氏の考察である。
ロバート・ジョンスンが悪魔と取引して超絶なギターテクニックを授かったというクロスロード伝説の真偽はともかくとして、まだ駆け出しの頃、ギターの練習をしていた場所が墓場だったという話は結構信憑性があるようだ。そのロバートと、平家の怨霊に魅入られて夜毎墓場で得意の琵琶を掻き鳴らす芳一との対比には、思わず唸ってしまった。
さらに、ブルースマスター・小出斉氏による全テイクガイドも圧巻。自らもギターを演奏される氏の技術的な解説は必見。
で、この特集の中で気になった一冊の本がある。
「RLーロバート・ジョンスンを読む アメリカ南部が生んだブルース超人」(日暮泰文・著 / ブルース・インターアクションズ) がそれだ。
ロバート・ジョンスン本では、トム・グレイブス の「クロスロード伝説 」、ピーター ギュラルニックの「ロバート・ジョンスン―伝説的ブルーズマンの生涯 」などがあるが、いずれも翻訳もの。
こちらは初の日本人によるジョンスン本である。しかも、著者はブルース・インターアクションズ(Pヴァイン)の創業者でもあり、日本におけるブラックミュージック普及の功労者、日暮泰文氏。
2011年、生誕100年を迎えた史上最も革新的なブルースマン、RLことロバート・ジョンスン。
その深層へと切り込む渾身の一冊!
RLの亡霊をアメリカ南部に追い求め、当地の社会・文化背景を手がかりに、残された29曲を深く丹念に考察、RLの革新性と人間性に鋭く迫る。
ロバート・ジョンスンの本当の姿とは?
あのクロスロード伝説が意味するものとは?
(紹介文より)
この本には、初版限定で「ロバート・ジョンスンと彼の生きた世界を知るための20曲(著者選曲・解説付)」というPヴァイン渾身のCD1枚(^^;)がつくという。
もちろん即注文したオレ。
そういや明日は命日か・・・。