EXORCIST Ⅱ THE HERETIC / JOHN BOORMAN
しかし、その後鑑賞を重ねるに連れてオレはこの作品がだんだん憎めなくなってきた。いや、むしろ好きになってきたと言った方がいいかも知れない。そして今では立派な「エクソシスト」の分身のような愛情さえ感じている始末なのだ。
前作のリアリティーを重視した重厚な作風とは異なり、どちらかといえば幻想的とさえ言える映像なのだが、「単なるパート2に終わらせないぞ」という意気込みが随所に感じられる。
あれから4年の年月が過ぎ、16才になったリーガンは再び幻覚や悪夢に悩まされていた。一方、メリン神父の死にまつわる謎の解明を命じられたラモント神父は、リーガンの主治医でもあるタスキン博士のもとを訪れる。そして謎を解く鍵を求めてラモント神父は遥か遠くアフリカの地へ飛んだ・・・。
怪しげな装置が登場したり、特撮の出来がイマイチだったりと全体の完成度という点からすれば不満も残るが、メリン神父の過去のエピソード、その舞台がアフリカであること、イナゴの大群を追い払う不思議な能力を持つ少年などを描きつつ、何故リーガンにパズズが取り憑いたのかを丁寧に解き明かして見せる姿勢には好感が持てる。そして終盤では善と悪の力のせめぎ合いを迫力ある映像で描いている(特撮の出来はイマイチなんだけど・・・^^;)。
クライマックスで腕を振り回しながらイナゴの大群を追い払うリーガンの姿には、ぐっと来るものがあるね。(年のせいかしら・・・。)
音楽は巨匠エンニオ・モリコーネ(大変美しい「リーガンのテーマ」)。このあたりにも前作の模倣を嫌った監督の姿勢が伺える。
最新作の「エクソシスト・ビギニング」が全くダメだったオレにしてみれば、この「THE HERETIC 」こそがビギニングという名に相応しい内容を持った作品だと思う。秀作です。