オリヲン座からの招待状
浅田次郎の短編集「鉄道員 (ぽっぽや)」の最後に収録されとるこの作品。
京都の古い映画館「オデヲン座」の閉館を通して、その劇場の老夫婦と、昔その町で暮らした別居中の中年の夫婦の生き様を描いた小品やけど、この映画のキャストを見ると、なんか違うんよね・・・。
このキャストでいくならば、年下の亭主と劇場を守り続けるトヨ役の宮沢りえと、祐次に京都行きを誘う良枝役の樋口可南子は逆じゃないとおかしいと思うんやけど。まぁ、そんなこと言ったってもう出来上がってしまっとるわけやから・・・(苦笑)。
「鉄道員」も、大竹しのぶがミスキャストやった。他は素晴らしい出来だっただけに、これは痛かった。DVDにも手が出なかった。(あそこはやっぱ倍賞美津子あたりを持って来んと・・・。)この短編集からは「ラブ・レター」も映画化されたけど、こちらは未見のまま。
こういう原作の映画化は、どうしても観る側にイメージが出来上がってしもうとるから、そのイメージが多少でも崩れると、どうしても裏切られたような気分になってしまうね(笑)。願わくばこの不満が心地良く裏切られますように、と。
全く期待しとらんかった作品が、むちゃくちゃ素晴らしかったのが「ALWAYS 三丁目の夕日」。
膨大な量の原作漫画のエピソードや登場人物はエッセンスとして取り入れる程度で、完全にオリジナルな作品に仕上がっとるんやけど、これがりっぱな三丁目の夕日になっとるところが凄かった。
「オリヲン座」と「続・三丁目」か・・・いやぁオレの嗜好性の一端が赤裸々に(笑)。